こんにちは、下村です。

今日から、後半戦です。

昨日お伝えしたとおり、ここからは業種別の話をしていきます。

というのも、いちばん多い質問がこれだからです。

「AIって、うちの仕事だと何ができるんですか」

これ、一般論で答えても、たぶん伝わらないんですよね。

なので今週は、業種ごとに1本ずつ書きます。

初日は、士業事務所です。

いま、ある先生のお手伝いをしています

ご縁があって、ある行政書士の先生のWEB集客をお手伝いしています。

やっているのは、ホームページの構成づくりと、記事の制作です。

先生ご本人がやっている仕事の中身には、僕は一切触れていません。

でも、そばで見ていると、けっこうはっきり見えてくるものがあります。

専門の仕事をしている時間が、思ったより短い。

士業の仕事を、3つに分けてみます

外から見ていると、こう分かれているように見えます。

1. 調べる(法令・制度・過去の事例)

2. 書く(申請書・契約書・お客さまへの説明)

3. 出す(役所に提出する・お客さまに渡す)

そして、この3つのまわりに、山ほど事務がついてきます。

  • 問い合わせのメールを返す
  • 見積を作る
  • 足りない資料を集める、催促する
  • ホームページに記事を書く
  • 過去の案件を探す

お手伝いしていて感じるのは、これです。

本業に、時間が足りていない、です。

資格を取るのに何年もかけた方が、ファイル名を整えるのに夜を使っている。

これ、なんてもったいない!!

……と、僕は思ってしまいます。

AIが効くのは、この4つです

順番に書きます。

① 記事とブログの下書き

士業ほど、記事が効く商売はないと思っています。

理由は単純で、お客さんが「困ってから探す」からです。

「相続 手続き 期限」

「建設業許可 必要書類」

こうやって検索して、出てきた記事を読んで、書いた人に相談する。

だから記事は資産になります。

でも、書く時間がない。 これが現実です。

ここでAIに下書きを作らせます。

ゼロから書くのと、出てきたものを直すのとでは、かかる時間がぜんぜん違います。

ただし、そのまま出すのはダメです。 ここは後で詳しく書きます。

② 問い合わせメールの下書き

「似たような質問に、毎回ゼロから返信を書いている」

これ、よく聞きます。

過去に書いた返信をいくつか渡しておくと、その事務所の書き方をまねた下書きが出てきます。

あとは、お客さまの事情に合わせて先生が直すだけ。

返信が早い事務所は、それだけで選ばれますよね。

③ 資料の整理

お客さまから送られてくる書類って、たいていバラバラです。

ファイル名が「IMG_2831.jpg」だったり、写真の向きが横だったり。

中身を見て、名前をつけて、順番に並べる。

手順が決まっている仕事なので、いちばん渡しやすいです。

④ 過去の案件を探す

「3年前に、似た案件があったはずなんだけど」

このときの探し物が、けっこう速くなります。

事務所の中のファイルを、横断してあたってくれるので。

人の記憶よりは、たぶん速いです。

ここからが、いちばん大事な話です

線を引いておきます。

官公署に出す書類の作成代行は、行政書士の先生の独占業務です。

法律で、そう決まっています。

AIは、ここには入れません。

入れないというより、入ってはいけないところです。

じゃあ何をしているのか、というと、

  • 下書きを作る
  • 情報を整理する
  • 分かりにくい制度を、噛み砕いて説明してもらう

ここまでです。

作るのは、あくまで事務所ご自身。 ここは動かしません。

これは行政書士に限らず、税理士の先生も、社労士の先生も、同じ構造だと思います。

「AIがあれば士業は要らない」でしょうか

たまに、そういう話を聞きます。

僕は、逆だと思っています。

確認してくれる専門家が、前より大事になりました。

先週の金曜日にも同じことを書きましたが、理由はこれです。

AIは、それらしい文章をいくらでも出せます。

そして厄介なことに、間違っていても、同じ顔で出してきます。

「たぶん違うと思うんですけど」とは言ってくれません。

もう1つ、お伝えしておきたいことがあります。

AIは、法令の最新の改正を知らないことがあります。

学んだ時点より後の改正は、そもそも知りません。

なのに、それっぽく答えてしまう。

だから、条文と通知の原文にあたるのは、これまでどおり人の仕事です。

そこを飛ばすと、事故になります。

情報の扱いは、他の業種より厳しめに

士業の先生が預かっている情報は、重いものが多いですよね。

戸籍、決算書、給与、家族の事情。

8月3日の記事で「3つに分ける」という話を書きました。

士業の場合、②(伏せてから渡す)と③(そもそも渡さない)が、他の業種より多くなると思っています。

判定はいつもの1つで足ります。

「その情報、社外の人にメールで送れますか?」

送れないものは、AIにも入れない。

面倒でも、名前を伏せてから渡す。伏せるのが面倒なら、その仕事は渡さない。

これだけで、だいぶ安全側に寄れます。

まとめると、こうなります

士業事務所でのAIは、先生の代わりではありません。

事務の下ごしらえをする係です。

  • 記事の下書きを作る
  • メールの下書きを作る
  • 資料を整えて、順番に並べる
  • 過去の案件を探してくる

そして、判断と、書類を出すことは、先生の仕事のまま。

正直、この線を守っているほうが、AIはずっと役に立ちます。

明日は、福祉の話です

明日は、福祉・放課後等デイサービスの分野を取り上げます。

この業種は、事務の量に対して、人が足りていないと言われています。

ただ、扱っているのがお子さんの情報なので、いちばん慎重に考える必要がある分野でもあります。

そのあたりを、正直に書きます。

よかったら、また覗いてください。